年末、『あの日に消えたエヴァ』など

もう年末! 今年中に色々おさめることは諦めて、年賀状を書いてしまったから少し気は楽。今月はちょっと大変だったので、日々の仕事以外ほぼ何もできなかった。まとまっていないけれど、ほぼ書きあげてあったのであげてしまう。

 

 

『あの日に消えたエヴァ』Nieodnaleziona(レミギウシュ・ムルス Remigiusz Mróz 佐々木申子・訳 小学館文庫)

発売当時にポーランドのミステリーということで気にはなっていたものの、主人公の目の前で恋人がレイプされたとか「驚異のスーパーページターナー本!」なんてあったので、「あー、つい読んでしまうけど、読み終わった後に、あんまり好きじゃないって言うやつだ」と思って後回しにしていた。シャツキを読み終えた寂しさを埋めるのと、この作家が、ずっと見たいと思っているドラマの原作者だと知ったので、取り寄せて読んだ。確かに読み始めると止められなくなって最後まで一気に読んでしまう。昔は朝まで寝ずに読んでも、ふらふらと仕方なく学校や職場に行ったのに、もうそんな体力が無いからか、甘えているからか、それをすると翌日ずっと寝てしまう。『ゴーン・ガール』みたい。こんなことするか? こんなわけあるか? と思っていたら、やっぱり、こんなわけは無かった。この強引に振り回される感じは、あんまり好きではないかも。振り回される楽しみもあるけれど、これはちょっと無茶な感じ。なんとなく『ふくろうの叫び』も思い出す。

この1年後が描かれた『Nieodgadniona』も責任を持って訳して欲しい! 訳が出ないなら英訳でも読むかと思ったら、この作家の作品はまだ1つも英訳されていないらしい。へええ

もうずっとドラマ『Chyłka』が見たくてたまらない。Jakub Gierszałが出演しているから。見られる時が来るのかしら。この動画を見かけてからずっと待っている。そしてこれを時々眺めてしまう。虫のたかった死体が出てくるから、苦手な人はJakubが捕まったら止めて。逮捕されるのを待ちながら、スムージーを作ってその中に花びらを入れてしまえるの、そしてそれが様になってしまうのなんて、Jakubだけでは。素肌にコートで裸足というお姿にも、くらくらと倒れそう。この襟の後ろが赤いコートは気に入っている設定なのか他の回でも見かけた。『ドリーマーズ』のルイ・ガレルが素肌にジャケットでいたのも思い出す。

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Jakubといえば、『Najmro』も来年には見られるかしら。お洒落で華やかで楽しそう。今年は『聖なる犯罪者』と『Fanatyk』でJakubという名まえの愛称がKubaだと知った。


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この主演のDawid Ogrodnikは『あの日に消えたエヴァ』の原作のオーディオブックで朗読していたのだっけ。そうそう、とにかく続編が翻訳されるのを待つ。

 

 

 

前回、見終わった帰り道にずっと文句を言い合っていたと書いた映画は007。その後も何日間もずっと言い続けていた。あのラストは反則では。クレイグのボンドは従来の007とは違うというような事を言われているけれど、結局これだって昔からよくある男のロマンみたいなのじゃない。というより何を見ているのかもう分からなくなって、白けてどうでもよくなっていた。ラミ・マレックが演じている人は何歳くらいの設定なのか分からない。レア・セドゥとあまり変わらないように見えるのに。でも最初とパーティーの場面が楽しかったから良いのか。 映画館に2回しか行けなかったのも驚きで、そのうちの1本がこれなのか、という変な1年だった。それから、やっと『2001年宇宙の旅』を最後まで見た。随分前に録画したのを見始めてサルの場面の途中、宇宙に行く前に止めたきりになっていたので。何も知らずに映画館で最初に音楽だけ流れたら驚いだだろうな。インテリア雑誌などでよく見かけた場面を実際に見られた。来年はもう少し自分の事にかまけたい。

 

良いお年をお迎えください

キリアン・マーフィー再び

去年楽しく聴いていたBBCキリアン・マーフィーの番組は、なんとseries2が始まっていた。先週か先々週だったかに気付いて、「えー、そんなのもっと早く教えてよ」と言いながら、ご機嫌で聴いている。

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今月は本当に久し振りに映画館へ行った。今年に入って2回目か。帰り道、ずっと作品について文句を言い合っていたけれど。家族と外食もした。お弁当とか持ち帰りの物を食べるくらいしかしていなかったから、他人の作った出来たての熱いものを食べるのなんて、どれだけ振りだったんだろう。大変美味しかったし楽しかった。でも一昨年までは日常だったことをこんなにありがたがるなんて、という複雑な感じだ。そしてまだまだ外出も外食も控えるかしら。このところ料理したい欲が高まってきている。今日は生のたらこを買って煮付けてみた。煮魚はシェフが作ってくれるから作ったことが無くて、でもこれは簡単にそれっぽいものができた。雑誌など眺めると色々と試してみたくなる。

もうすぐ12月なんて怖いな。

『A Grain of Truth』からシャツキ三部作

もう10月だなんて信じたくない。暑くてまだ夏と変わらない格好して、2日程前までアイスティーも作っていた。

 

『A Grain of Truth』Ziarno prawdy(ボリス・ランコシュ Borys Lankosz)

tubiで。『1983』が良かったロベルト・ヴィエツキーヴィッチ(Robert Więckiewicz)が主演なので何も調べずに見た。


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Netflixのドラマ『その森に』(続編とは言わないのかしら? 主役の二人も同じ人物として登場する新しいドラマが作られるみたいで、楽しみ)や『泥の沼』のシーズン2、映画の『Zgoda』(Jakub Gierszałが出演)、『Aftermath』Pokłosie などを見てもっと知りたいと思っていた事が扱われていたので、英語の字幕が追いきれない部分もあって少し調べていたら、原作の小説があって、なんと翻訳も出ていた。それで読んだのが、テオドル・シャツキのシリーズ。

3作あるシリーズなら普段は1作目から読むけれど、紹介に「ポーランドルメートル」とあったので、あたしには合わないやつかもしれないと思ってこの映画化された2作目の『一抹の真実』(ジグムント・ミウォシェフスキ Zygmunt Miłoszewski 田口俊樹・訳 小学館文庫)から読んだ。ルメートルといえば1冊だけ読んで、ついものすごい勢いで読んでしまうものの気になる所も多かったし、Netflixのドラマ化されたものは1話だけ見てそのままにしてある。このシリーズも日本の翻訳は3作目から出たようだから、2作目だけ読んでも良いだろうと。けれども読み始めたらものすごく面白くて、読んでいる途中で全巻揃えた。これからこのシリーズを読まれるのなら、この下は読まずに全巻揃えて1作目の『もつれ』から読むのが良いと思う。

 

ポーランドの文化や社会、生活などに興味があるからか、書かれている事の一つ一つが読んでいて楽しい。各章の最初のニュースが並んでいる部分も好き。毎朝、TVのニュース番組を流しながら身支度して、一日を始めるようなイメージ。好感度も高くなさそうで、共感もあまりされなさそうなされる部分もあるような、本当に存在しそうな主人公のキャラクターも良い。映画を見た時は「なんなんだ、この感じの悪いおっさんは」と思ったものの、小説では口には出さない部分など内面が細かく描かれていて、それがおかしくてずっと読んでいたくなる。読むことで口に出せない部分まで見えたら余計に酷いと思う可能性もあるかもしれないか。あたしより少し年上なのかしら。自分と同世代の久しく会っていない人たちは今の時代に上手くやれているのだろうか、とか、余計な事も考えてしまう。あっという間に3作目まで読み終えて、これでシャツキとお別れなのが寂しい。あたしが受け取れなかっただけか、こういう人物の魅力というのか面白さを映画で表現するのは難しいのかもしれない。原作を読んで思い返せば、映画でもスーツ姿のシルエットはとてもきれいだった気がするけれど。地下道の場面が原作と映画で少し違って、それも主人公の印象をより悪くしてしまっていたのかも。

全体的にも『ダ・ヴィンチ・コード』みたいな映画だなと思っていたら、原作の大聖堂の場面ではダン・ブラウンの名前も出てきた。意識して書かれていたのね。映画でも街の建築や雰囲気が良くて、原作を読めばサンドミエシュに行ってみたくなる。首都から地方へ移住した人の思う事には笑ってしまうけれど。「儀式殺人」というものを知らなかった。そしてずっと気になっていたポーランドにおけるユダヤ人に関しては、知るためのヒントが色々と出てきたので、これから役立てたい。

犯人については、こういうの昔からあるけれど、21世紀にもなってありなのか? こんなことが実際に起こり得るのか? ○○の信頼は? などと家で喋り続けたくらいで、あまり好きなタイプの持って行き方ではない。映画でもそれが気になったので、1作目からあまり読む気がしなかった。それでも、そこに目をつぶれるほど、登場人物のキャラクターやぎちぎちに沢山詰め込まれた文章が面白くて、こういう作家は他の作品も読みたくなる。

続けて同シリーズの1作目『もつれ』Uwikłanie 英 Entanglement、3作目『怒り』上下巻 Gniew 英 Rage も読んだ。『もつれ』も映画化されて、日本でも『巻き込まれて』のタイトルでポーランド映画祭で上映されたそう。主人公を女性にしたみたい。


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3作目から訳された理由は、殺され方が派手で題材も予備知識など無くても受け入れられやすそうなど、なんとなく想像できるものの、最初から読むに越したことは無いし、『怒り』はこの3作の中では他の2作と比べて少し物足りなかった。途中から読むスピードをすごく加速させるけど、そういうのはあまり求めていなかった。『ダーティーハリー2』を思い出させる。でもハリー・キャラハンになれるのはあの時代のクリントだけなのか。そう思うとこの作品は現代的な気がする。最後のゼニアに対する対応というか考えは、ああ最後までシャツキだなあ、と少しむかつく。

2作目にその後のシャツキの運命を仄めかすような部分があって3作目の構想が既にできていたのかもしれない。さらに言うと1作目で既に考えていたようにも読めた。事件解決のために毎回あちらこちら動き回っているものの、シャツキ自身の物語は最初から結末に向ってまっすぐに進んでいるようにも見える。このキャラクターの設定から必然だったようにも。読み終わってからも色々と考えてしまって、今年の良い収穫だった。他の作品も翻訳してほしい。

それからこのシリーズを読んでいると、美味しいお菓子が食べたくなる。クリームのあるタイプのもの。フォレ・ノワールが食べたい。どこかに出てこなかったっけ(付箋でも貼っておけば良かった。探せない)。シャツキが気になる女性とお茶する時に、食べたいお菓子をきれいに食べられないから選ばないのは、ちょっとかわいかった。あたしもミルフィーユとかは外でなかなか頼めない。

 

イヴァン・アタルの『ユダヤ人だらけ』を見て、サリー・ルーニーが新作のヘブライ語への翻訳を拒否したニュースを読んだ今週。

『Aftermath』がものすごく重たい映画だったけれど、日本人も他人事ではないよなあと気が滅入る。

 

 

 

 

 

『Normal People』

『Normal People』(Sally Rooney  Faber)

書きかけたまま置いてあった。1作目の『Conversations with Friends』も読みたいと思っていたら翻訳が出ると知り喜んでいて、そうしたらもう発売されたそう。早く読みたい。3作目の『Beautiful World, Where Are You』もちらっと見た感じ評判が良いみたい。

なんで読みたかったのかもう憶えていないけれど、『洋書ラビリンスへようこそ』(宮脇孝雄 アルク)にも紹介されていて、原文の一部が訳文と一緒にあるから、それで読めそうだと思って取り寄せた。

アイルランドのMarianneとConnellという二人の2011年から2015年までの関係が描かれた作品。人って国や時代が違っても意外とあまり変わらないのかしらと思った。細部が生々しいというか自分の学生の頃にも心当たりのあるような事も多くて、色々と思い返されてあまりさっさと読み進められなかった。再会して誤解が解けてまた関係が続くのは羨ましい。大抵は誤解したりされたりしたまま、それっきりだろうから。Marianneのようなヒロインの小説が世界で人気だというのも、なんだかほっとするような嬉しいような。

出てくる本も読みたくなる。今は知らない固有名詞をすぐに調べられるのが良いね。もう何年前なのか、アイルランドに3日間ほど行った時にトリニティ・カレッジに行って図書館も見学した。あんなところを利用してるConnellが羨ましい。そういえば大学の門のあたりでアジア系の学生さんらしき人が声を掛けてきて写真を撮ってくれた。一人での旅行だったから、唯一自分が写っている写真だったかもしれない。知識も無く下調べしている余裕も無く行ったから、現地で申し込んだツアーに参加したら、イングランドスコットランドの年配の女性と隣になって、自由な見学時間に疲れたからとお茶に誘われてあまり見て回れなかったり、彼女が乗り物に酔ってしまって、袋をあげてずっと背中をさすっていて観光どころではなかったとか、変な事を思い出した。

こちらが1作目の翻訳。『Normal People』も会話やメールも多めで話が進められて、そこに色々と詰め込まれている文章で、こちらもそういうやりとりを楽しむ感じなのかしら。

 

 

見た夢

夜中に仕事場(実生活と全然関係ない)へ行く。近くの片側3車線ある広い道路に出てみると、雪が積もって車が通った跡はあるものの全く走っておらず、しんと静かだった。嬉しくて、重たい荷物を引きながら道路の中の方へ歩いて行って、遠くから何か来ないか目を凝らす。世界が終りかけていると思う。

仕事場の2階にエレベーターで上がると、そこは明るいギャラリーのようだった。入ってすぐのところにある1メートル四方くらいのガラスの浅く四角いケースに、鮮やかな水色のゼリーのようなものが満たされていた。簡単な迷路のように少し仕切られていて、ウインナーみたいに丸々とした人の指がいくつも埋められている。どの指も2本ずつペアになっていて、つつーっと泳ぐというのか動いているものも見えた。

エレベーターで下に降りようとすると閉まる頃に人が入ってきて、「うわ、まずい」と言ってバッグからマスクを取り出すところで目が覚めた。

 

夢の中でもマスクしなきゃっていう状況なのね。週末もほぼ外に出ていなくて、買い物も夜中に行った。

お盆も終わった

もうどうなってしまうんだろう、っていうニュースばかり。怖い。

二週間くらい前に、モデルナ2回目接種した。その日の夜から37.96度の発熱、37.5度くらいが翌日の夜まで続いて、気付くとすとんと熱が下がっていた。両腕がチリチリ痛いし、全身痛くて、うとうとする程度で全然きちんと眠れなかった。冷蔵庫にあったゼリー、冷奴、茶碗蒸し、ところてん、甘酒でなんとか過ごした。風邪ひいた時も、甘いものの気分じゃないなら冷奴とか市販の冷たい茶碗蒸しでも良いな。なんとなく栄養もありそうだし。腕の注射を打った所が一週間くらい熱くて、その後少し痒かった。怠さは一週間くらい続いた。副反応でこんなに辛いなら、できるだけ感染したくないと思った。周りも全然なんとも無かった人からもっと高熱で苦しんだ人、もう予約したとかまだ予約できないとか様々で、さらに感染に関する知識や意識の差も大きくて難しいね。

 

バジルをもらったから、ガパオライスを作って沢山散らした。以前1回作って、調味料がもう1回分残っていたから。本物がどんなものかよく知らないのに、なんとなく本格的な感じの味になった気がする。でもこういう時に限って、目玉焼きは黄身が傷ついて広がってしまった。

 

作業しながらNetflixで『オアシス:スーパーソニック』(Oasis: Supersonic)を見ていた。そういえばCreation Recordsのドキュメンタリー映画も見たっけ。

 

今読んでいる本について書きたい。3部作なので全部読み終わるのはもう少し先か。

近況、夢、記憶

もう8月だなんて! 早い怖い暑い、早々にアクシデントも発生。

連休は全然連休ではなかったし、色々とぐったりした7月だった。外に出ないようにしているのと面倒臭いのとで、まだTVを買っていない。電池を買いに行ったついでにちらっと売り場を覗いたものの、「オリンピックを見るため」と思われたら嫌だな、というしょうもない自意識も言い訳にして。映画をもっと良い画質で見たいから、そろそろ欲しいな。買ったDVDも見ていない。

 

7月のはじめにモデルナの1回目の接種を受けた。それを受けていなかったら、名古屋ではまだ予約すらできないのでは。ほとんどたいした熱も痛みも無く、ただただ怠くて3日くらいずっと転がって本を読んでいた。副反応なのか暑さや湿気のせいなのか分からないと言っていたけれど、ワクチンのせいだったんだろうな、と今は思う。出先でもすぐに疲れて座りこんだりもしていた。もうすぐ2回目。普段ほぼ発熱しないので妹から薬をもらった。

 

久し振りに憶えている夢

雨の中、四角い平屋のカフェかギャラリーに行くと扉が閉まっていて、会う予定だった人とも会えない。部屋の中で鏡をふと見ると、頭のてっぺんが真っ赤で、ぽやぽやと少し毛が残っており、円く頭の皮を剥がれたような様子になっていた。面積は河童みたいな感じで。全然痛くないけれど、すごいことになっているな、と感心していた。最近よく夢を見ていた気がするのに目が覚めると何だったか忘れてしまう。

 

少し前に、メンズウェア(Menswear、「Menswe@r」って書くと時代!!って感じがする)というバンドのことを急に思い出した。好きな曲もあったし、Tシャツも1枚持っていた。なんでもらったのかは忘れた。Menswearを意識したような感じの日本のバンドは何だったっけ、と思い出せず、かと言ってどう検索していいのかも分からず、知らないだろうから周りにも訊けず、独りでうわーと気持ち悪さを抱えていたら、夜、食器を片付けている時に思い出した。The Space Cowboys。曲は似ていないけれど、この2曲のビデオに、ヴォーカルの衣装やパフォーマンスなど。こんなねっとりした歌い方だったっけ。ヴォーカルの人が洋楽を紹介する番組の最後に毎回この下の方のビデオが流れていたの。すっきり。特にファンでもなかったのに思い出せた事に感動していた。何曲か聴いて思い出したけど、どの曲も別に曲は似ていないね。


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今はずっとWoods of Birnamばかり聴いている。これを見るとクリスティアン・フリーデルに吸血鬼を演じてもらいたいなと思う。


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『泥の沼』の新シーズン『Rojst'97』は第1シーズンよりも好きなくらい。本は『Normal People』が良かった。時代が変わっても人はあまり変わらないのかしら。ドラマも見るべきか。この著者の他の本も読みたい。