chemiseって

『Story of O』(Pauline Réage BALLANTINE BOOKS)を、河出文庫の澁澤訳とところどころ平行して読んでいて気になったこと。なんで英訳なんて読んでいるのかは、聞かないで。仏語ができないだけなので。うふふ。でも、この本ではマンディアルグの文章も訳されているのが良いでしょう。と思いつつ今見てみたら、英訳では「A Note on Story of O」、『Histoire d' O suivi de Retour à Roissy』(LIVRE de POCHE)には「Roissy-en-France」、マンディアルグによるタイトルも違えば内容も違う文章がそれぞれ載せられていた。これらは、どこかで日本語に訳されているのかしら。

さて、本題。「ステファン卿」の章に入ってすぐ、「ナイロンのシュミーズを買ってきたよ」とルネがいうところ。英訳では「a nylon nightgown]になっていた。仕方なく仏語を見ると「une chemise de nylon」。ただ、プチ・ロワイヤル仏和辞典によると、「chemise」って、男性用のワイシャツなどのことをいうみたい。これは知らなかった。「日本でいうシュミーズは combinaison」だそう。これ以上詳しい資料がないので、ぼんやりと想像はしてみても、このchemiseがきちんとイメージできない。期限のない宿題ということに。

このchemiseは生地が薄いので「乳房がバラ色に透けて見えるほど」だったのだけれど、英訳では「buttocks」! 仏語では「seins」、やはり乳房だった。英訳にも間違いがあるのね。読んでいる身には、バラ色に見えるのが胸だろうとお尻だろうと、どちらでも構わないかもしれないけれど。