『ミステリー食事学』

『ミステリー食事学』(日影丈吉 社会思想社 現代教養文庫)を読み終えた。これを読み終えたら客に出し忘れたお菓子を夜中のおやつにしようと思ってお茶もいれたのに、最後が「食後の生理的浄化」についての話だった。気にせず、美味しくいただいたけれど。解説で新保博久が「フルコースばりに贅沢で、愉快なエッセイ」と書いているけれど、まさにその通りの内容の濃い楽しい文章だった。ダンセイニの「二壜のソース」が読みたい。人喰いについては色の黒い若い女の肉が最上という説があるそうで、本当だかどうだか知らないけれど黒豚が黒くない豚より高価なことを考えるとちょっと納得。ミステリーってあんまり読んだことがないので、この機に有名なのをいろいろ読んでみたくなる。彼が翻訳を手がけたものが良いかしら。渡辺東のイラストも好み。