『ザ・パック 餌になる女』

『ザ・パック 餌になる女』La Meute(フランク・リシャール Franck Richard)
誕生日に借りて見た。バンジャマン・ビオレが出演しているからずっと見たかったものの「『屋敷女』のスタッフ集結」というのを見かけて、あれは苦手だったので、あまり期待しなかったからか、結構楽しかった。バンジャマンが動いているだけで嬉しいというのもあるけれど。コメディなの?? 主人公の両手の指に「HATE」の刺青。片手が「LOVE」じゃなくて、両方とも「HATE」。元警察だったかのおじさんが着ているシャツに書かれている言葉は、書くのがためらわれる。それ自体は双方の合意の上でなら全然問題無いし良いけれど、そんなシャツを着ている人の神経はどうかと思うよね。餌として捕まっている東洋系っぽい男の子の額に焼印で「TOFU」って、豆腐? 東洋人だから? 主人公への焼印は確か「COZA」で、意味はちょっと分からない。だいたい焼印を押す必要性が感じられなくて、単に押したいから押しているようにしか見えない。この映画の登場人物は皆何を考えているのか分からないような人ばかりで、何も考えていなさそうだし、隙だらけ。梱包材で巻かれた人が食堂の前を走っている。土の中から出てくるモンスターが作業着を着てブーツを履いて、つるはしを持っている奴がいたり、その道具を人間臭く使ったり。モンスターが迫ってきているのに小屋の中で本を読んでいる人。つっこんで欲しいのか、細かい仕掛けがけっこう詰め込まれている。最後に彼女を吊るしたのは、バンジャマンくらいしか浮かばないのだけれど、彼がしたのなら酷いし、そんな目にあわされても彼女がその直前に映されたような夢を見ていたなんて、残酷なラスト。笑える。なんだかのんびりして、嫌いじゃない。