『Wszystko, co kocham』All That I Love

『Wszystko, co kocham』英 All That I Love(ヤツェク・ボルツフ Jacek Borcuch)
DVDを英語字幕で。去年末に見た『愛の原罪』と同じ監督の作品。すごく良い。好き。
ゆれる人魚』ではクラブのバンドのベーシストだったJakub Gierszalが、この作品ではパンクバンドのベーシスト! シルエットが、少女漫画に出てくるバンドマンみたいじゃない? ただ、彼はいつも親に殴られているのか顔に傷があったり腫れていたりする。彼が怪我したり死んだり苦悩したり泣いたりしない、能天気な映画も見たいな。
1981年のポーランドで、高校生のJanekが弟と友人と4人でパンクバンドをやっている。Janekの父親は軍に勤めているけれど、Janekとお互いに好意を寄せ合うBasiaという女の子の親はSolidarity(歴史をよく知らないので、途中でちらっと調べた)のメンバーだから、親に隠れて会ったり、会えなくなったり。学校で演奏しようとしたら、歌詞がよろしくないと止められて、それでも歌うと熱狂的に受け入れられたけれど、父親の職場での立場はまずくなるし。
以前『眺めのいい部屋』の男の人らが素っ裸ではしゃぐシーンが大好きといっていたら、『地獄に堕ちた勇者ども』をすすめられたことがあったけれど、素っ裸のいい年した大人がで水辺でキャッキャするのは良いね。この映画は、ちょっと若くなってしまうものの、やはり主人公とバンド仲間でそんなシーンがあって、自分の中のそういう括りの映画に加えられた。『眺めのいい部屋』もダニエル・デイ=ルイスの反応との対比が面白かったし、この映画でも社会が自由でなくなっていく中、海岸は皆がそれぞれ密かに裸になれる場所で、全体的にきれいなこの作品の中でも海岸のシーンは際立っていた。
ゆれる人魚』のクラブのオーナーが主人公の祖父の役で。Goldenの頭に銃を突き付けてキスしていた女性も出ていた。
『愛の原罪』もこれも、主人公のカップルが良い。自然で似合っていて、かわいらしくて、きゅんとする。魅力的な組み合わせ。
『愛の原罪』もそうだったけれど、映像が素敵。Michał Englert(Michal Englert)という撮影監督の名まえを憶えておきたい。『コングレス未来学会議』も彼によるものだったみたい。

Wszystko, co kocham - zwiastun