『RAW〜少女のめざめ〜』

RAW〜少女のめざめ〜』RAW、Grave(ジュリア・デュクルノー Julia Ducournau)
上映している映画館がわりと行きづらい場所にあって、車で送ってくれた人が「見たくない」と外で待っていてくれたので、少し申し訳なく思いつつ一人で見たのだけれど、一緒に付き合わせていたら、たぶんもっと申し訳ない気分になっていた。彼が何故見たくなかったのかは知らないけれど、皮膚感覚とか肉体的な感覚に訴えるものがあるし、苦手な人も多そう。誰も誘わずに一人で見るのが良いよ、きっと。気をつかわなくて良いし、無理に付き合わせたくないし、余計な事をいわれずに浸りたい時もあるし、一人で見るのは好きだけど、場所が。
ゆれる人魚』と、日本では公開時期もほぼ同じで、一緒に語られたりしていたけれど、後になって、そういえば指とか、二つとも姉妹の絆の話でもあって、妹が置いて行かれる話でもあるのか、などと共通点は見つけられるものの、全然違うしあまり比べたり並べたりする気が起こらない。
感触としては自傷に耽る女性の映画、マリナ・ドゥ・ヴァンの『イン・マイ・スキン』を思い出させた。その映画自体ほとんど憶えていなくて、タイトルも忘れていたけれど。
姉がかっこいい。狩りの仕方を教える野生動物の親みたいなところ。主人公のコントロールできない欲がむき出しになった様子はすごかった。集団生活、怖い。
最後のB級ホラー映画みたいな結末とそれに続く赤い画面、そこで流れるちょっと大袈裟な感じの音楽は、わりと好き。