『Prognoza pogody』

『Prognoza pogody』英 The Weather Forecast(アントニ・クラウゼ Antoni Krauze)

Netflixで。1983年のポーランド映画。全然知らないタイトルと監督で、天気予報というタイトルからは想像できない内容だった。厳しい寒波が来るというニュースの流れた夜、老人ホームにこっそり棺が運び込まれるのを見た入居者たちが、運ばれた先を覗くと、その部屋には床一面びっしりと棺が並んでいた。戦争の夢にうなされる人もいる彼らのその光景を見た衝撃と恐怖は、戦争を経験していない今の他の人のそれとは比べられないよね。あれは自分たちの棺で自分たちは殺されるのでは、と、老人たちは集団で逃げ出して、逃避行というのか冒険というのか、そんなお話。牛の乳を搾って服を汚しながら回し飲みしたり、1羽の鳥を丸焼きにして手で裂いて分け合ったり、ボートを漕いだり、暴れたり、ドラッグはやるし、くすねた酒を飲んで、焚火の周りで輪になって踊る。老人かっこいい。ホームの中はモノクロ、建物を出たらカラーになり、自然の中で過酷なはずだけれど、皆なんだか生き生きとしてくる。最後もしんみりとして良い感じ。おばあさま方のかぎ針編みのストールが可愛らしい。なんとなくアキ・カウリスマキの映画を思い出した。

簡単な解説を読んだだけで「え? 棺? どういうこと?」となんだか分らぬまま見始めたら面白かった。翌日興奮気味に説明しまくっていて、「監督はアントニ・クラウゼって人」と言うと、「ああ、私はあまり買っていない」とのことで、日本でも何作か見る機会はあったのか。

マレク・ノヴァコフスキ(Marek Nowakowski)の短編「An incident in a small town」が元になっているそう。『ワルシャワ冬の日々』には入っているのかしら。

 

YouTubeでも全編見られるようだけれど、何の字幕も無いから厳しそう。Netflixは言語の設定を英語にすれば、検索すると表示できるし、英語字幕で見た。


PROGNOZA POGODY | cały film | HD

 

今、Netflixで楽しみなのは『泥の沼』というポーランドのドラマ。時間がとられるから、なるべく連続ドラマには近付かないようにしているけれど、ダヴィド・オグロドニク(ダヴィッド・オグロドニック? Dawid Ogrodnik)も出演しているし。あたし、くせ毛のようなカールした髪に弱い。彼は、Jakub Gierszałと共演する『Najmro』も気になる。

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