11月に見た映画

『Najlepszy』がDVD、他はすべてNetflix

 

『インサイダーズ 内部者たち』내부자들(ウ・ミンホ)

イ・ビョンホンが出てるし、くらいでほとんどどんな映画か知らずに見たから、あまりに強烈で、痛そうで辛くて、面白くて、驚いた。イ・ビョンホンも良いし、もう一人のチョ・スンウという、なんとなくRain(ピ)(←今は「ピ(Rain)」じゃなくて、こう書くの?)っぽい人も良かった。父親の家に匿っている時の二人で食事している場面とか、なんだかとても美味しそうだったし、こんな場面がずっと続く、誰も痛い目にあわない、ただ二人がご飯食べたり会話したりしているだけの映画も見たいような気もしつつ、こんな作品の中だからこそオアシスのようで美しく見えたのか、とも思ったり。

 

『Najlepszy』Breaking the Limits(Łukasz Palkowski)

tsubaqui.hatenablog.com

 

『残像』Powidoki(アンジェイ・ワイダ Andrzej Wajda)

ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ(憶えられない)という実在の画家を全然知らなかった。娘の父親にも気を遣う様子に泣けてくる。そして、その娘がなんだか強くてかっこよかった。自由の無い社会というのは遠い昔の事だったり遠い国の事だったりするのだろうと若い頃はぼんやりと思っていたし、世界はそういった歴史を乗り越えて個人の自由が尊重されるようになっていくのだろうと期待していたのは全く甘かったようで、このような話が身近に感じられるようになるとは。


ヘルタースケルター』(蜷川実花

原作はなかなか取り出せない所に入れてしまって確認できない。蜷川実花の『さくらん』は結構気に入っていたので、これも劇場公開時に行けたら行きたかったくらいだったのだけれど、ちょっとしんどい。たぶん演技が上手いとされる俳優でも下手に見えてしまう脚本? 演出? ってあるよね、と園子温の『恋の罪』で思ったが、これでも同じことを思った。女性は美しくなくてはならないという社会的な風潮というのか空気と言うのか、と、それからくる強迫観念みたいなものが、原作の描かれたり出版された頃よりも今は薄れてきているというか、人の美に関する価値観がかなり変わってきているし、現代の設定でそのまま作ってもちょっとピンと来ないのではと考えかけて、この映画が2012年に公開された、もう7年も前の作品だということに気付いた。その頃がどうだったのかは、もうよく分からないけれども、今とは違うのだろうし、問題意識は高まりつつもまだまだ残っている問題でもあるし、芸能界の話だから良いのかしら。


『未来を花束にして』Suffragette(サラ・ガヴロン Sarah Gavron)

邦題は変だけれど、映画は良かった。


キャスト・アウェイ』Cast Away(ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis)

一時期はトム・ハンクスが出演しているからと映画を見に行っていたのに、数が多いからか、何作かあまり面白くない物があったからか、長い間彼から離れていた。それが『王様のためのホログラム』を見たら、また彼の出演作を見たくなったので。実はガンプも見ていないし、これから見るものが沢山ある。クリントの映画を見た後だと、飛行機の事故の場面でトム・ハンクスに操縦をさせれば良いのになんて思ってしまう。主人公が賢いから良いものの、あたしなんかだと火もおこせずに、すぐにくたばるのかも。どの映画でもどんな役でもトム・ハンクストム・ハンクスに見えるの、なんだかすごいな。


シェルブールの雨傘』Les Parapluies de Cherbourg(ジャック・ドゥミ Jacques Demy)

ものすごく久し振りに。昔、名画座で見た時は、いつになったら歌が終わって普通のセリフが始まるのだろうと思っていたら、最後までずっと歌だったので驚いた。色彩が美しくて夢のよう。『ローラ』とつながっているのね。すっかり忘れてしまっているから、もう一度そちらも見たい。パサージュ・ポムレーにも行きたい。『キャスト・アウェイ』といい、2日続けて、男性の不在の間に女性が別の男性と結婚する映画だった。