『作家の食卓』

『作家の食卓』(コロナ・ブックス 平凡社)を久しぶりに眺める。200グラムのステーキを3枚、毎日食べるのも素敵だけれど、石川淳は、朝食のトーストにバターを羊羹のように分厚く切ってつけていた、パンより厚くないと満足しなかった、というところの方が、ぐっと来る。高校生の頃に素敵だと思っていた女性が同じことをいっていた。バターはパンに塗るのではなくて乗せるのだと。彼女は石川淳のファンだったのかしらん。三島由紀夫の、カステラの黄色い部分は残して上と下の焼けた部分だけ食べたというのは、あたしはやらないが気持はよくわかる。「殊に下側のが、ジャリジャリして美味しかった」って、そうよね!! カステラにバターを挟んで食べたりもしたそう。
そういえば長野へ出掛けた時に、薄く伸ばした干し柿にバターを挟んだミルフィーユみたいなお菓子を見かけて気になったので、今度干し柿にバターを挟んで食べてみようと思う。
作家の食卓 (コロナ・ブックス)